基本情報技術者試験をこの冬までに受けるかどうかは、9月のうちに決める必要があります。2026年9月1日以降の申込では選べる試験日が2026年12月27日までに限られ、IPAはその翌日以降のCBT休止を予定しているからです。受けると決めた場合に最初に手を付けるべき科目を、IPAが毎月公表している評価点分布から特定します。
科目Bで落ちる — 令和8年7月の評価点分布
IPAは基本情報技術者試験の評価点分布を月ごとに公表しています。令和8年7月分(令和8年8月21日現在)の度数を、基準点である600点で区切って合算すると、科目Aと科目Bの差がはっきり出ます。
| 科目 | 受験者数 | 600点以上 | 基準点クリア率 |
|---|---|---|---|
| 科目A試験 | 8,588名 | 5,578名 | 65.0% |
| 科目B試験 | 9,922名 | 4,764名 | 48.0% |
| 同月の最終合格 | 9,922名 | 4,098名 | 41.3% |
600点以上の人数は、IPA「基本情報技術者試験 評価点分布 令和8年7月分」に載っている50点刻みの度数を本記事で合算した値です。受験者数と合格者数はIPA「情報処理技術者試験 統計資料 令和8年7月分」によります。
科目Aと科目Bで分母が違うのは、科目A免除制度の利用者が科目Bだけを受けているためです。その差は1,334名で、7月の受験者の13.4%にあたります。知識を問う科目Aは3人に2人が基準点を超えるのに対し、技能を問う科目Bは半分に届きません。最終合格率41.3%が科目Bのクリア率48.0%に近いことからも、合否を決めているのが科目B側だと読み取れます。
年度でならすと、合格率は令和5年度47.1%、令和6年度40.8%、令和7年度38.3%と下がってきました。令和8年度は7月までの累計で38.5%です。通年CBT化で受験機会が増えたことと関係づける見方はありますが、IPAはこの推移の理由を公表していません。
科目A 90分60問、科目B 100分20問 — SGとの違い
同じIPAの試験でも、情報セキュリティマネジメント試験(SG)とは合否の決まり方が違います。試験要綱Ver.5.6の数字を並べると、差がどこにあるのかが見えます。
| 項目 | 基本情報技術者試験(FE) | 情報セキュリティマネジメント試験(SG) |
|---|---|---|
| 試験時間 | 科目A 90分/科目B 100分 | 科目A・Bあわせて120分 |
| 出題数 | 科目A 60問/科目B 20問 | 60問(科目A 48問・科目B 12問) |
| 基準点 | 科目ごとに600点/1,000点 | 総合600点/1,000点 |
| 科目Bの内訳 | アルゴリズムとプログラミング16問、情報セキュリティ4問 | 情報セキュリティ分野 12問 |
出典はIPA「情報処理技術者試験 試験要綱 Ver.5.6」です。どちらもIRT(項目応答理論)で評価点を算出し、受験手数料は7,500円(税込)で同額です。
違いは基準点の置き方にあります。SGは総合で600点を超えればよいので、知識で稼いだ分が技能側の不足を埋めます。FEは科目Aと科目Bに別々の600点があり、片方が届かなければ合格になりません。科目Aで900点を取っても、科目Bが590点なら不合格です。難易度の差としてよく語られる部分は、出題範囲の広さより先にこの構造から来ています。
選べる試験日は2026年12月27日まで
IPAは2026年5月以降の申込受付を再開していますが、申込日によって選べる試験日の範囲が変わります。2026年8月31日までに申し込んだ場合は申込日から3か月先の月末まで、2026年9月1日以降に申し込んだ場合は2026年12月27日までの試験開催日が対象です。
12月28日以降は試験の休止が予定されていて、再開時期は決まり次第IPAのウェブページで知らせるとされています。会場によっては12月27日より前に開催が終わる場合があるという注意書きも出ているため、会場ごとの空き状況は早めに見ておくほうが安全です。申込は受験日の3日前まで可能で、受験料は7,500円です。
再受験の間隔にも制限があります。同じ試験区分を受け直せるのは前回の受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降で、11月1日に受けた場合は12月2日以降が次の候補です。12月27日までに2回受ける可能性を残すなら、1回目を11月中に置くことになります。
2027年度からは新しい試験制度に移ります。ITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験の3区分は2027年度の春頃に新制度で開始する予定とされています。
擬似言語の16問を先に見積もる
科目Bの20問は、アルゴリズムとプログラミング16問と情報セキュリティ4問に分かれます。4問のほうは科目Aのセキュリティ分野と地続きで、科目Aの学習がそのまま効きます。手が止まるのは16問側で、擬似言語で書かれた処理を読んで値を追う問題です。
この16問は、用語を覚える勉強では点になりません。変数の中身を書き出しながら1行ずつ追う作業に慣れているかどうかで決まるため、IPAが公開している公開問題とサンプル問題で手を動かす時間を別に取ってください。裏を返せば、科目Aの60問と科目Bの情報セキュリティ4問は、知識の整理で届く範囲です。ここを短期間で片付けて、残りを16問にあてる配分が現実的です。
シラバスは2026年1月8日掲載のVer.9.2が最新です。この版では「下請法」が削除され「中小受託取引適正化法」が追加されました。法務の用語が置き換わっているので、前の版に沿ったテキストを使っている場合はこの箇所だけ直して覚えてください。
49ページに入れた範囲
このPDFは、科目Aのテクノロジ系を中心に出題範囲を49ページへ畳んだ要点ノートです。過去問や解説、模擬試験は含みません。
上の4ページは収録内容の一部です。1枚目は基礎理論で、AND・OR・NOTからNAND・NOR・XORまでのMIL記号と真理値表、ド・モルガンの法則、マスクパターンによるビット演算、半加算器と全加算器を並べています。右側は応用数学で、順列と組合せ、条件付き確率とベイズの定理、期待値、正規分布と相関係数を計算例つきで入れました。
2枚目は状態遷移図と状態遷移表、オーダー記法、機械学習とディープラーニング、コンパイラの処理順です。右側には伝送理論と誤り検出訂正を置き、パリティチェック、CRC、ハミング符号を区別できる形にしています。3枚目はMTBF・MTTR・稼働率と直列並列の計算、バスタブ曲線、TCO、OSのジョブ管理とタスク管理、スケジューリング方式です。4枚目は暗号とデジタル署名の鍵の使い分け、FRRとFARのトレードオフ、PKI、リスクアセスメントの流れ、ISMSとJIS Q 27000シリーズを収めています。
中分類の見出しには頻出度の印を付けてあるので、時間がないときはそこから読む順を決められます。一方で、擬似言語を手でトレースする練習は、この形式のノートでは代われません。科目Bの16問には別に演習時間を確保してください。
📄 基本情報技術者試験 要点整理ノート(PDF・49ページ)
https://www.pakunote.com/library/fe-kihon-joho-pointo
FAQ
基本情報技術者試験は独学で合格できますか
独学で受ける人が多い試験です。出題範囲がIPAのシラバスで細かく公開されていて、公開問題も無償で読めるためです。ただし科目Bの基準点クリア率が48.0%であることを踏まえると、計画はテキストを何周するかではなく、擬似言語の問題を何問トレースするかで立てるほうが実態に合います。
科目Bだけ届かなかった場合、科目Aの点数は次に持ち越せますか
持ち越せません。試験要綱に科目単位で合格を持ち越す規定はなく、科目Aと科目Bは同日に実施され、両方が600点以上のときに合格となります。次に受けるときは両方を受け直すことになります。
科目A免除制度は独学でも使えますか
使えません。IPAの認定を受けた講座を受講し、修了試験に合格した人が対象の制度で、認定されるのは講座の開設者です。条件を満たした場合、科目A試験が1年間免除されます。
2027年度の新制度を待ったほうがよいですか
待つ利点は小さいと考えます。基本情報技術者試験は2027年度の春頃に新制度で開始される予定ですが、2026年12月28日以降は試験が休止され、再開時期は公表されていません。準備が進んでいるなら12月27日までの枠で受け、そうでなければ新制度のシラバス案が出そろってから決めるほうが判断しやすいはずです。
まとめ
基本情報技術者試験で合否を分けているのは科目Bです。令和8年7月分の評価点分布では、科目Aの基準点クリア率が65.0%だったのに対し、科目Bは48.0%でした。科目ごとに600点の基準点が置かれている以上、科目Aの上積みで科目Bを補うことはできません。
2026年9月1日以降の申込で選べる試験日は12月27日までです。受けると決めたなら会場の空きを先に確かめ、科目Bの16問にあてる演習時間から逆算して、科目Aの知識整理は短期間で片付けてください。
🎯 科目Aのテクノロジ系を49ページで確認する
https://www.pakunote.com/library/fe-kihon-joho-pointo
このノートは受験者向けの非公式な学習資料で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)とは関係がありません。試験日程・申込条件・シラバスは変更されることがあるため、受験前にIPAおよび申込サイトの案内をご確認ください。販売条件は特定商取引法に基づく表記に記載しています。