第一種衛生管理者 有害業務の20問が配点の4割|第二種との違いと令和8年度の申込

第一種衛生管理者と第二種のどちらを受けるかは、「有害業務」を担当するかどうかで決まります。第一種はすべての業種の事業場で衛生管理者になれますが、第二種は有害業務との関連が少ない情報通信業・金融保険業・卸売小売業などに限られます。その差は試験の中身にも、44問400点のうち有害業務に関する20問160点という形ではっきり表れています。公益財団法人安全衛生技術試験協会が公表している試験の構成と、令和8年度(2026年度)の申込ルールをもとに整理します。

第一種衛生管理者と第二種の違いは有害業務 — 44問400点の内訳

第二種の試験は労働衛生・関係法令・労働生理の3科目で、各10問100点の合計30問300点です。第一種はここに有害業務の範囲が加わり、労働衛生(有害業務)10問80点、労働衛生(その他)7問70点、関係法令(有害業務)10問80点、関係法令(その他)7問70点、労働生理10問100点という5範囲、合計44問400点になります。試験時間はどちらも3時間で、増えた14問のぶんだけ時間が延びるわけではありません。

令和7年度の実績は、第一種が受験66,401人・合格31,046人で合格率46.8%、第二種が受験40,653人・合格19,796人で合格率48.7%でした。合格率そのものの差は2ポイント足らずですが、第一種は問題数が14問多く、しかも増えた分がオフィス勤務の人にはなじみの薄い有害業務に寄っています。製造業・建設業・運送業などを担当する立場であれば、第二種では要件を満たせないため選択の余地はありません。

なお、第二種の免許をすでに持っている人には特例第一種衛生管理者試験という区分があります。こちらは有害業務関連の2範囲だけを2時間で解く形式で、出題は労働衛生・関係法令が各10問80点、合計20問160点です。第二種から第一種へ進む場合、実質的に上乗せで問われるのはこの20問だという整理になります。

範囲ごとに4割、合計で6割 — 足切りが5回ある

合格基準は、科目ごと(第一種で範囲が分かれているものは範囲ごと)の得点が40%以上で、かつその合計が60%以上であることです。第一種は範囲が5つに分かれるため、足切りの判定も5回行われます。合計で240点を超えていても、どれか一つの範囲が4割を割った時点で不合格になります。

範囲 出題数 配点 1問あたり 足切りを避ける正解数
関係法令(有害業務) 10問 80点 8点 4問
関係法令(その他) 7問 70点 10点 3問
労働衛生(有害業務) 10問 80点 8点 4問
労働衛生(その他) 7問 70点 10点 3問
労働生理 10問 100点 10点 4問
合計 44問 400点 — 240点で合格

出題数と配点は安全衛生技術試験協会が公表している試験科目の構成で、1問あたりの点数と必要な正解数はそこから割り戻したものです。ここから読み取れることが二つあります。

ひとつは、有害業務の20問が1問8点で、残りの24問(1問10点)より1問の重みが軽いことです。問題数で見れば44問中20問と45%を超えますが、配点では160点で400点のちょうど4割にとどまります。得点源として過大に見積もる必要はありません。

もうひとつは、7問しかない「その他」の2範囲がいちばん危ないことです。28点を確保するには3問の正解が要るので、7問中5問を落とした時点で足切りに触れます。1問の取りこぼしが効くのは、問題数の多い有害業務ではなく、この薄い範囲のほうです。

令和8年度の申込 — 事業者証明書と、5月11日からのオンライン完結型

第一種衛生管理者には受験資格があり、学歴に応じた労働衛生の実務経験が求められます。大学・短期大学・高等専門学校の卒業者は1年以上、高等学校の卒業者は3年以上、学歴によらない場合は10年以上が基準です。この経験は自己申告では認められず、事業者が作成する事業者証明書で証明します。現職だけで年数が届かないときは前職分を合算できますが、前の勤務先からも証明書を受け取る必要があるため、申込の中でいちばん早く着手すべき項目になります。

試験は各地の安全衛生技術センターで毎月実施され、令和8年度は東京試験場と大阪試験場で休日試験が大幅に拡大されました。申込の受付は、郵送なら第1受験希望日の2か月前から14日前の消印まで、窓口持参なら2か月前からセンターの休業日を除く2日前までです。受験手数料は8,800円です。

2026年5月11日からは、第一種・第二種衛生管理者試験がオンライン完結型の申請に対応しました。添付書類をオンラインでアップロードできるため、紙の郵送を挟まずに手続きが終わります。受付期間は各試験日の2か月前0時00分00秒から14日前23時59分59秒までで、郵送の締切と同じ考え方です。毎月試験があるとはいえ、申込から試験日まで最短でも14日空く点は変わりません。

有害業務の20問から手を付ける

第一種で最初に着手すべきなのは、第二種と重ならない有害業務の20問です。足切りが2か所置かれていることに加えて、オフィス勤務の受験者にとって内容がいちばん遠く、後回しにすると最後まで手つかずで残るからです。有機溶剤・粉じん・特定化学物質・鉛・放射線・騒音・振動といった対象は、現場を見たことがないと用語のイメージが湧きません。

この範囲は、物質名と特徴的な健康障害を1対1で結ぶ形に落とすと整理が進みます。鉛なら貧血、一酸化炭素ならヘモグロビン、石綿なら中皮腫というように、対になる語を先に固めてから細部へ降りる順番です。特殊健康診断の実施間隔や作業環境測定の頻度のように数字を伴う項目は物質ごとにばらつくので、文章ではなく表の形で持っておくほうが引き出しやすくなります。

局所排気装置は、用語の暗記より先に図の理解を置いてください。囲い式と外付け式でフードの位置と必要な排風量が変わり、フード・ダクト・除じん装置・ファンの並び順も問われます。構造を一度自分で描いてしまえば、細かい選択肢の正誤は図から判断できるようになります。

労働生理は5範囲の中で最も独立していて、他の範囲の理解を前提としません。有害業務が重くて進まない時期の並走用に置いておくと、学習が止まりにくくなります。関係法令(その他)と労働衛生(その他)は第二種と範囲が重なるので、第二種を経由してきた人にとっては復習の位置づけです。

25ページに入れた範囲

第一種衛生管理者 まとめノートは、実務経験は足りているものの理論の側を詰め直したい人に向けて、25ページに絞っています。上の配点構造に沿って並べ替えたうえで、局所排気装置・特殊健康診断・労働生理を中心に収録しました。過去問や解説は含まれていません。試験科目の構成と出題範囲を分析して要点を再配列した資料です。価格は590円で、購入後すぐPDFをダウンロードできます。

👉 第一種衛生管理者の要点まとめPDF(25ページ)

https://www.pakunote.com/library/daiisshu-eisei-kanrisha-matome

FAQ

第一種衛生管理者は実務経験がなくても受けられますか

受けられません。学歴に応じた労働衛生の実務経験が受験資格になっており、大学・短期大学・高等専門学校の卒業者で1年以上、高等学校の卒業者で3年以上、学歴によらない場合は10年以上が必要です。経験年数は事業者証明書で証明するため、申込の前に勤務先へ依頼しておく必要があります。

第二種を持っていると第一種は楽になりますか

特例第一種衛生管理者試験を選べます。有害業務関連の労働衛生・関係法令だけが出題され、各10問80点の合計20問160点を2時間で解く形式です。申込時は事業者証明書などの資格を証する書類に代えて、第二種衛生管理者免許証の写しを添えます。

第一種衛生管理者の試験はいつ受けられますか

各地の安全衛生技術センターで毎月実施されており、実施回数はセンターごとに異なります。令和8年度は東京試験場と大阪試験場で休日試験が拡大されました。申込は第1受験希望日の2か月前から始まり、郵送は14日前の消印まで、窓口は休業日を除く2日前までです。

有害業務の範囲を捨てて合格できますか

できません。合格には範囲ごとに40%以上が必要で、有害業務は労働衛生と関係法令の2範囲に分かれています。それぞれ80点満点なので、32点にあたる4問ずつを確保できなければ、合計が240点を超えていても不合格になります。

まとめ

第一種と第二種を分けているのは有害業務の20問160点で、これは400点の4割にあたります。合否を左右するのは合計点より範囲ごとの4割ラインで、特に7問しかない「その他」の2範囲は5問落とすと足切りに触れます。受験を決めたら、まず勤務先に事業者証明書を依頼し、そのうえで受験日を選んでください。

📄 有害業務と労働生理に重心を置いた25ページ

https://www.pakunote.com/library/daiisshu-eisei-kanrisha-matome

本教材は受験者向けの非公式な学習資料であり、公益財団法人安全衛生技術試験協会をはじめとする試験実施団体とは関係がありません。試験日程・受験資格・受験手数料は変更される場合があるため、受験前に安全衛生技術試験協会の案内をご確認ください。販売条件は特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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